新生キップソーンの新たな展開を予感させるラブソング満載のフルアルバム。
アモーレヒロスケさんのジャケットイラストをはじめ、ラテングルーヴを基調とした、高速4ビート、4つ打ちダンスチューンといったアッパーからラヴァーズまで、アコースティック楽器とコーラス群に彩られた美しい曲の数々をどうぞお楽しみ下さい。
ここには元来『癒さな系』を自負していたはずの彼らの、今までにない優しさが込められています。
でも、耳に優しく、心に優しい曲...などと油断してはいけません。
そういう曲の次にはキチンと心臓バクバクな曲が用意されていますから。
キップのアルバムは、地雷原にいるつもりで聴きましょう。

かわいくて踊れるパーティーチューン満載のこのアルバム、友達のダンスパーティーにでも誘われたつもりで気軽に楽しんで下さい。
とは言っても、一曲目から脳と腰を直撃するグルーヴで目が点に。
数多くのライブで培ったドライブ感と斬新なアイデアを詰め込んだ、ライブ感一杯のCDです。
ナマの気持ち良さに思わず腰が動いてしまいます（変な意味ではないですよ）。

音を見る映画館『オーガニックサウンドシアター』で上映される、カラフルなカレイドポップの世界。
スペースラブソングから脱力ラガマフィン、変則ガールポップからドリフなホーンセクションまで、目まぐるしく展開する、映画のサントラのような一枚です。
このころ、QYPTHONE自身も、どんな形態のライブもこなすカメレオンのような存在になっていたのでした。
『オーガニック』とは『有機的な』という意味で、有機野菜のように脳や体に良いサウンドを詰め込んだ、という意味もあるのです。
聴く人の健康を考え過ぎて、自分達の健康を害する一面もありましたが…

50〜60年代のモダンサウンドをベースに、70年代の『タイムショック』のような怖さと、80年代玩具が奏でる音色と90年代サンプリングマジックをプラスした、21世紀の音楽の基本形となるCD。
エンジニア泣かせの音数、どん欲な実験の数々に、一度聴いて驚き、二度聴いてあきれかえり、何度も聴くうちに、キュートでポップで新しくて懐かしいこのアルバムの虜になることでしょう。