2月20日(月)
8時40分ホテルロビー集合の予定が、8時50分頃の泉ちゃんからの電話で目が覚めた。寝坊である。慌てて飛び起きて携帯を見るとアラームが鳴った形跡がある。iPodも小さい目覚まし時計も、どうやら1回ずつ鳴ったようなのだ。3種もの目覚ましを通過する睡眠とは一体どういうことだろう。これはもしや、起床という事象から完全に解き放たれた安らかな状態、悟り、瞑想の境地なのではなかろうか。僕は新たな次元に確実に一歩足を踏み入れたことを確かめながら、ホテル外のみんなの待つ車に駆け寄って、そのことを高らかに宣言しようと思ったが、車のドアを開け、車内のムードを肌に感じた途端にそんな気はなくなった。「すみません、寝坊しました。」
Happy Robotの事務所へ行きニーナ、カンさん、ゴンダミさんと待ち合わせ。カンさんもゴンダミさんも日本語が上手だ。カンさんが「タケシさんはイ・ソジンに似てますね。」と言うと、ゴンダミさんもニーナも大きくうなずいている。「でもタケシさんの方がカッコイイです。」とカンさんは続けたが、比較の対象となっている「イ・ソジン」という人物が何者か分からないのでタケシも喜んでいいのか困っている。韓流スターなのかショートトラックの選手なのか、いや、もしかしたら「イ・ソジン」とは人物ではなく、昆虫のことかもしれない。あるいはシダ植物、牛の第四胃の呼称、うがい薬、はたまた原辰徳の韓国語読みかもしれない。しかしニーナ達もウンウンと真顔でうなずいているところを見ると、これはギャグではなく、タケシに本当によく似ているシダ植物が韓国にある可能性はある。
今日は彼女たちに通訳をしてもらいながらのラジオ収録の日である。MBC局へ向かう。ディスクジョッキーの女の子にもタケシはやはり「イ・ソジン」の話をされた。まだ実物を見ていない彼にとっては「イ・ソジン」が牛の第四胃の呼称である可能性も捨てきれず、微妙な笑顔を作るしかなかった。初対面でそんな失礼なことを言うはずは無いという点と、「俳優である」というもう一つのヒントを得たので、タケシも一応納得したがまだ気になっているようだ。
午後、KISS Music Stationにて収録。ディスクジョッキーのキムさんは渋谷系や日本の音楽にも詳しく日本語も堪能で、「SUSHI4004」のDrive Musicをかけながら「懐かしい〜!」と喜んでいた。彼女は我々に韓国のお菓子をお土産に用意してくれていたりして、QYPTHONEの出演に感激していた様子。僕らの知らないところでこんなに熱心なファンの人がいて、僕らの音楽を紹介してくれていたのかと思うと不思議な気持ちで、僕らの方こそ感激してしまった。
今晩の夕食は肉。しかしその晩入った店では牛カルビ1人前25000ウォン(約3000円)。「これは絶対ボられてる!」と泉ちゃんが例のレストランガイドを調べてみるが、どの店もそんなくらいの値段であった。韓国とはいっても牛肉は高い。その代わり「サムギョプサル」という豚肉の焼き肉がリーズナブルな価格で食べられる。しかも牛カルビよりウマイのだ。周りの地元のお客さん達もそれを主に食べているようである。しかしなぜか日本語のメニューにサムギョプサルは載っていない。そしてそのメニューにはイ・ソジンも載っていなかった。
イ・ソジン、正確にはこの人のことである。
何となく似てる。。
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