2003Austria

 Fr 29. Aug

 バブシー達は普段、朝はシリアルしか食べないそうだが、大食らいのキップソーン達を迎えるにあたり、サラミやチーズ、ピクルスなどを用意しておいてくれた。オーストリアの食事は全てが最高なのだが、何が旨いってこの朝食にかなうものは無いと思うんですよ、実際。なにしろ普通のスーパーで売っているチーズやソーセージやパンが、日本の物とは比較にならないくらいクオリティーが高く、種類が多い。

 日本におけるチーズの分類方法を考えてみたまえ。
スライスチーズ、粉チーズ、裂けるチーズ…(形態?…)。
 日本におけるパンの分類方法を考えてみたまえ。
食パン、ロールパン、かにパン…(『食』って?…)。

 …まあちょっと穿ちすぎな分析になってしまったが、とにかく僕たちは、フランスパンよりも堅くてうまいこちらのパンに、数種類のチーズやサラミをのっけて、本場ウインナーと一緒に食べる。
ピクルスなど、毎朝一瓶たいらげてしまうのだ。
そして卵はゆで卵用の小さな器に乗せて、スプーンでくり抜いて食うという、育ちの悪い我々にとってはおとぎ話でしか見たことのない食べ方をしたんでござあますのよ!
食後に自家製のカフェラテ、そして昼間っから本場ビールなど飲み、毎朝しあーせなんでござあますのよ!
でもご飯党のタケシだけは、早くも「醤油が欲しい」とか言ってて興ざめざます。

 バブシーとクリストフはラブラブだ。
食事中も、街を歩いている時もしょっちゅうチュッチュやっており、目のやり場に困る。
バスルームが彼らの寝室を通過したさらに奧にあるため、バブシーは僕らに気を遣わせまいとして、
「キップソーンと一緒にいる間はセックスしない」
と宣言してくれたのだが、あのようなラブラブ三昧から想像すると、寝室のドアを閉めたらすぐにでもセックスしちゃいそうな勢いである。
泉ちゃんはバブシーの宣言に対し、
「どうぞどうぞ!あなた達の部屋なんだからセックスやって下さい」
と余計なおせっかい。
 そんなわけでこのメンバーの中で最も奥ゆかしい僕はなかなか寝室のドアをノックできず、今日が初入浴である。(よくこれまで体臭を指摘されなかったものだ)

 夜はライブでエンジニアを勤めてくれるクリス(クリストフとは別のクレイジーな男)とその彼女も交えてアフリカ料理だ。手のひらで料理をすくうという野趣あふれる食べ方のせいで手も口もベトベトのため、彼らとはろくに握手もできぬ。それでもクリスの、明石家さんまのような息を吸う時に音が出る独特の笑い方は健在で、和気あいあいとプロスト!(乾杯!)なわけである。
 帰る頃には雨が降り、9月を待たずに早くも秋の寒さである。
日本と違って、季節の移り変わりは突然だ。



デザイナー・バブシーが製作したディスプレイ


かっこいいバスルーム


練習してるところですよ


アフリカ料理屋にて
手で食ってます


ベトベトです


すごく寒くなってきて抱き合うふたり