2003Austria

 Mi 3. Sep

 今日はウィーンの街をぶらぶら観光だ。ついでにお土産なども見てまわる。どこにどの店があるのか分からないので、バブシーに先導してもらって目的の店へみんなで移動することにした。
 さて、お土産の定番といえば名所のレリーフがカッコイイ銅色のキーホルダーだが、ちょっとファンシーにキメるなら丸文字で『きよさと』と描かれた木製の壁掛け、高級感溢れる正十二面体のガラスに閉じこめられたミニチュア金閣寺も捨てがたい。『ペナント』を筆頭に、用途もセンスも不明なこれらお土産の数々、修学旅行では気をゆるめるとついついその誘惑に負けてしまったものだが、もう僕も物の善し悪しをわきまえた大人である。
わき目もふらずエロ本を買おうではないか。
 「エロ本が買いたい」と言うと、さすがにそんな店まではバブシーも分からなかったようなので、僕が前々から「あそこにはきっと上モノがあるな」と注目していた近くの古本屋に行くことにした。タケシと泉ちゃんは店の中に入ろうとしない。
ことわっておくが、できれば僕だって入りたくないのだ。友人に頼まれているから仕方ないんだよ。嫌がるバブシーを通訳のために連れて、仕方なく二人で古本屋に入った。
 度々バブシーを呼んでは通訳してもらい、「ドイツのスクールガールもの」「グロくない」「ロリータというほど幼くない」という(友人の)厳密で確固とした趣向を満たす品を店員達に探してもらう。アメリカものしか無かったが、店員は優しく別のセックスショップを教えてくれた。バブシーみたいな若い女の客が珍しいのか、最初は怪訝そうな顔をする店員達なのだが、バブシーの後ろでニコニコしている僕を見るととたんに優しく応対し始めるのだ。おいおいおい。その「おにいさんもエロいモン好きだね!」という同類のよしみの優しさはおかしいぞ。頼まれた物を買いに来ただけだぞ。
 教えられたセックスショップでも優しくされて、満足のいくお宝をゲットだ。ニコニコして店を出ると、心なしかみんな僕と距離を置こうとする。

 それにしても美しい街である。ほとんどの建造物が19世紀以前のものと思われ、内装だけ新しくして店やアパートとして使っている。足下には石畳、街行く人が連れている犬は赤犬(柴犬?)では無く大型種、車も少ないのでオープンテラスがよく似合う。立派な教会やオペラハウスが林立している辺りなどは、見て歩いているだけでウットリなのである。
 その時「ホント可愛らしい街だわねえ」と日本人観光客のババアどもの声が聞こえた。まったく同感なのだが、なんかムカツク。

 女の買い物は果てしない。
バブシーと泉ちゃんは次の店に行くの行かないの、この服買うの買わないので大変な時間をかけている。世の中の男は、カノジョの服の買い物のつき合いという、人生の中で最も無駄な時間に悩まされる生き物である。そして下着屋の前は、世の男性が途方に暮れるための空間である。ご多分に漏れずタケシ、僕、クリストフの三人は、ブラジャーを選ぶバブシーと泉ちゃんを店の外からガラス越しに眺めながら、それほど食べたくもないアイスを無駄に座り食いする。

 各々買いたい物が違っていてちぐはぐなショッピングになってしまったが、最後はみんな仲良くシュニッツェル&ビールを楽しみましたよ。



お買い物中


デリカテッセンとタケシ


パレットと泉ちゃん


セックスショップとオレ


豪華な建物です


壮麗です


荘厳です


女の買い物中の男の姿


アイス2個目です


そしてオレ達の生き甲斐である…


お肉です


オレ(の友人)の生き甲斐


懐かしのファミコン中