maandag
27 okt.
Montag 27 Okt.
起きるとどういう訳か体中の筋肉がほぐれている。これも「ある物」による効果なのだろうか。「まだ変な感じがする」と皆口々に言う。結局昨夜、一番最後に泉ちゃんに効果が出てきて、寝る直前まで狂ったようにずーっと喋っていた。笑いの神に取り憑かれ、いつもの天然ボケとは違う、突き抜けた天才的な面白さがそこにはあり、僕らは彼女の話術に完全に笑わされてしまった。と思ったが、僕らもラリってたので内容は憶えていない。大して面白くなかったのかもしれない。
朝食をしてから、一度駅へ帰りのキップの変更をしに行く。一昨日ロバートが変更したはずだが、それだと到着時刻が遅すぎるという事情があった。運河の多い街を歩いて行くことにしたが、途中で「まだあ?」と苦情が殺到したので市電に乗る。間違えてキップを2枚買う。駅からの帰りの市電は、今度はあさっての方角へ向かってしまい、結局徒歩でホテルの方へ戻ることになる。このようにツアーマネージャー・ロバート(自称・風魔)の状況判断はまだイマイチ正確さに欠ける。
オランダでの2回のイベント『Sushi Sounds』では、日本から来た僕らにスタッフがとても気を遣ってくれていたようで、出された食事は天ぷらごはん、寿司、焼きそば、といった具合であった。どれも本格的で美味しかったのだが、一部の人間から苦情が殺到したので、今日の昼食は肉。タケシはいつもなら日本食を喜ぶタイプなのだが、疲労をカバーする体の欲求なのか「やっぱ肉だわ…」と一心不乱に食う。今回のツアーの写真、タケシがスターにあるまじき『素』の表情でものを食ってる写真が多いのはそのせいである。
フランクフルトへ行く。フランクフルトには銀行しかない、と揶揄する人もいるが、ヨーロッパでの僕らのフランチャイズであることに変わりは無い。確かに観光スポットや名勝・名跡の類は少ないが、僕らが安心して暮らせる穏やかさがそこにはあるのだ。
向かうのは2年前の5月のツアーと同じ、マリコとアンドレアスの部屋である。彼らはshibuyahot recordsのブレインだ。(EU盤『Montuno
no.5』はshibuyahot recordsからリリースされている。)しかし今彼らは僕らと入れ替わりに日本にいる。僕らにキーを預け、宿を提供してくれたのである。
「やっと着いた〜!」と、我々はようやく心からリラックスして、ひとまず無事3回のライブを終えたことを祝って乾杯した。死の淵から生還した僕の復活記念でもある。(あれ以来、僕が目を閉じるたびに、みんなは息をしてるか確かめているそうだ。)
フランクフルトの街へ楽しみを求めて出かけるが、泉ちゃんやロバートの感想は、
「ほんとに銀行ばっかりだなあ…」というものであった。
オメーラ、生きてるだけでも有り難いと思えよ!
一度死んだ人間の言うことには含蓄がある。
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