2003EU

 воскресенье 2 ноябрьский
 Sonntag 2 Nov.


 怒濤の一日が終わり、我々は全員ホテルのロビーでグッタリ。
ロビーにいた女の子が、なぜか僕らの方にビデオを向けている。
注目されたがり女・泉ちゃんは、そのビデオの動きを素早く察知して背筋を伸ばし、表情を作ってカメラ目線になった。
昨夜のキップソーンの豪遊ぶりは、早くもここモスクワの芸能ニュースに値するとでもいうのだろうか?
それともだらしなくソファーを占拠している東洋人の姿をビデオに収め、家族と一緒に楽しもうとでもいうのだろうか?
タケシが恥ずかしそうに「泉、うしろ…」と指さすと、僕らの後方でロシアの有名ロックスターと思われる男達がサイン攻めに遭っている。
ビデオを撮っていた女の子は「アンタじゃないのよ」と、邪魔な泉ちゃんが映らないように立ち位置を変え、ロックスターを捉えていた。
「またやっちまった〜」と恥ずかしさに崩れ落ちる小物ロックスター。
まあしかし、いつの日かそのカメラ察知能力を活かせる立場になる時が来るであろう。
ホテルを出ると機材バッグが一つ無いことが発覚し、一同肝を冷やしたが、ヨギが泉ちゃんの部屋で発見。
「ヨギ、ゴメ〜ン」とあっけらかんとしたサマだけは既に大物級なのだが…

 ニーナと一緒にタクシーで空港に到着。ヨギはスイスへ向かうため、一足先にボーディングした。
ところでロシアの挨拶は、お互いの頬を寄せて「チュッ」、反対側も「チュッ」とやるのが普通である。
ニーナは何のためらいも無く僕ら一人一人と頬を寄せて、「チュッ、チュッ」と別れの挨拶をした。
12月にまた会いましょう。

 想像以上にスリリングでエキサイティングなロシアに別れを告げ、僕らはアエロフロートというまた別のスリリングな乗り物に乗り込む。
上空の天候が悪かったせいもあるが、とにかく機体がすごく揺れるのだ。
機内でワインをガブガブ飲んでいた他の乗客はゲロを吐いた。
同行していたおじさんは、その後着陸するまでずっとゲロを吐いた友人の体をさすって介抱を続け、「ノンビリシタイヤ…」とつぶやいていた。
さぞかしのんびりしたいだろうと思ったが、「ノンビリシタイヤ」というロシア語がどういう意味なのかは分からない。
 機体の揺れも不安だが、僕の隣の男性が着陸の際、窓の外を見ながら落ち着きが無くなり、十字を切ってお祈りを唱えているからなお不安である。無事着陸のアナウンスがあったとたん、乗客全員で拍手をするのもやめてもらいたい。

着陸はそんなにレアなことなのかよ!



ロビーのソファーで疲れ切った僕たち。


ロックスターとファンとの語らい。
それを羨ましそうに眺める泉。


ホテルの門構えもスゴイです。


10車線道路。


ロシアンファーストフード。


ウンウン、結構イケる。


トロリーバス。


空港でニーナとお別れ。


フランクフルトに戻ってきました。


もう動けない〜〜!


したがって、ピザのデリバリーにする。


でも足りなかったのね…。「ロバート、ケバブ買ってきて〜」
ということで二度目の夕食。